731 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2016/04/09(土) 18:32:20 ID:???
おばあちゃんから聞いた、実に75年前の衝撃体験。
当時、『会議は踊る』というドイツ映画が人気だった。
テレビのない時代だから、小さな町にもたいてい映画館があって、今のお金で500円くらいで見られた。
『会議は踊る』は映画そのものより、劇中歌の「ただひとたびの」という歌が大流行した。
(ジブリの『風立ちぬ』の挿入歌にもなっている。邦題は「ただ一度だけ」とかいろいろある。
「ただひとたびの」は祖母の記憶)
貧しいヒロインが皇帝からのお迎えの馬車に乗って、町を駆け抜けていくという華やかなシーンがあって、
少女だった祖母や祖母の姉は、なんて素敵なんだろうと憧れていた。

昔の家庭は、たいてい1人や2人、下宿人や居候がいた。
今のようにアパートで独り暮らしというのが事実上不可能だったし(台所からして薪で竈だから)、
下宿屋もあったが、基本は「困ったときはお互いさま」だったらしい。
祖母の家には、祖母の父親の知り合い(以下、おじさん)が下宿していた。
毎日どこかへ出かけていくほかに、何日も帰って来なかったりすることもあったが、
祖母姉妹は子供だったから、何の仕事をしているか知らなかったし、気にしなかった。
それよりおじさんは優しくて話が面白くていっぱい歌を知っていて、ずいぶん遊んでもらった。